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英語の奥深さについて

英語を勉強している方には、単語や文法を勉強することが通じる英語へ近道だと思っている人が多いかと思います。でも、英語だけに限らず他の言語を勉強する上でも言語学的背景や異文化学的な背景が大事だと事実を見落としがちなのです。
言語学や異文化学と聞いても「難しそう…。」と思うことはありません。言語学と異文化学は外国語を外国の文化に興味さえあれば大丈夫です。そして、言語学と異文化学の背景を大事にして英語を勉強すると英語だけでなく日本語も非常におもしろい言語だということに気づき、英語を勉強するのがもっと楽しくなるはずです!

以下では、「英語や日本語って奥が深いなー!」と感じること間違いなしの言語学・異文化学から見た4つの事実についてご紹介していきます。

English
I have a dog. (私は)犬を飼っています。

この文のように「犬を飼っています」と日本語では主語の「私は」が無くても文脈上誰が犬を飼っているのかわかりますが、英語では”have a dog”という文では成り立たないですよね? これには文の構造以上に深い訳があって英語では主語を省略することができないのです。

それは英語圏を話す国がIndividualism(個人主義)である一方、日本はCollectivism(集団主義)であるという背景があります。個人主義は「自分の意見を大切にする文化」、集団主義は「自分の言動がまわりに影響する文化・まわりの人と協力しあって生活する文化」です。そのため、日本語では自分のことについて話していても周りにいる人に繋がっている。自分=周囲にいる人という言語学・異文化学的考えがあるため主語を省略することができるのです。言語のルーツが同じだということもありますが、集団主義の中国語と韓国語も、同じように主語を省略することができます。逆に英語は個人主義ですので、「誰が」ということをはっきり主張しなければなりませんので、主語を省略することができないのです。
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2、生活・文化上で大切なものがあってこそできる単語

お米
私たち日本人にとって大切なもの。それはお米・ごはんですよね?私たちは普段意識していませんが、英語圏のごはんを主食をしない国の人からすると、日本にはお米を表す言葉が”たくさん”あるよね?と言うのです。日本人の私たちからするとどういうこと?と思いますが、このことについて書いてある言語学の文献はたくさんあるのです。例えば、日本語では稲・米・ごはんなど…。これ英語では全部riceなので、英語圏の言語学者たちは日本人の頭の中はどうなっているのだろうとミステリーになっているのです。日本人である私たちはある一つの言葉として認識していますが、このことについて書かれている文献によっては「えー。このriceはこういう状態でまだ調理されていないので…。これは稲だ!」と脳内で選別しているという説を残している文献もあるのです。
他にもよく言語学の文献に例として登場するのがイヌイット語です。イヌイット語を話すエスキモーたちは雪を表す言葉が20-50もあるそうです。エスキモーたちが雪を基盤として生活しているので、それだけの言葉があるのも納得です。日本語でも雪・霙(みぞれ)・雹(ひょう)といくつか雪の状態を表す言葉はありますが、あまり雪と密接な関係のある土地でもないので、イヌイット語には及びません。イヌイット語は”一年の最後の雪”や“朝日でキラキラ光っている雪”や“土が混ざった雪”にもちゃんと単語があるのです。そう言われると、エスキモーの人たちの頭の中どうなってるの?と思いますよね。言語学者たちがriceという言葉をたくさん持っている日本人に対してそう思うのも無理がないと思いませんか?

3、その国特有の概念があるからできる言葉

英語 英語を勉強する上でたくさん英単語を勉強することは大事ですが、和訳を鵜呑みにしないように注意してください。和訳だけでなく「ニュアンス」まで勉強するようにしましょう。

日本語を勉強する人の観点から考えてみましょう。日本語を勉強している人に「恥ずかしい」という言葉を教えてあげるとします。この「恥ずかしい」という言葉は日本独特の概念です。英語で「恥ずかしい」という言葉を表すのであれば”shy”か”embarrassed”といったところでしょうか?でも、「恥ずかしい」という概念は”shy”とは違うし”embarrassed”だと強すぎますし…。”Shy”と”embarrassed”の間くらいかもしれませんが、それでも「恥ずかしい」という概念と言葉を知らない人に英語だけを使って説明するのは非常に難しいことです。

同じように私たちが英語にしかない概念を日本語だけで勉強することは難しいことです。例えば”I miss you”というフレーズがありますが、日本語では「会いたかった」と訳されます。でも、考え方としては「私はあなたを欠いている」のです。自分の中で相手の存在が欠けているという心に穴がぽっかりと空いたような感覚なのです。それだけの強い感覚なので、久しぶりに会った友人に今までかけていた存在を埋め合わせるかのようにハグをしながら”I missed you so much!”というのも納得です。「会いたかった」という和訳では十分に”I miss you”を表現することは難しいのです。でも、これで「ニュアンスの大切さ」を理解することによってニュアンスを意識するようになるので、英語がもっと上達するようになるはずです。
英語
日本人と食事に行って無言が続いても落ち着かないと感じることはあまりないかと思います。逆に英語圏の人と食事に行くと黙る暇もなくよくしゃべるのです。なぜだかわかりますか?

それは日本語がhigh-context culture(高文脈文化)に対して英語はlow-context culture (低文脈文化)だからです。High-context cultureは実際に言葉として表現された内容よりも言葉にされていないのに相手が理解できる内容の方が豊かなだという意味です。まさしく言わずして「空気を読む」ということがHigh-context cultureなのです。逆にlow-context cultureは言葉で表現された内容だけが情報としての意味を持っているので、話していない内容は伝わらないという考え方です。

日本語は曖昧な言語であり、言葉にしていない情報も重んじる文化なので沈黙は不快ではないのですが、英語は正確性が必要とされる言語で言葉だけに基づいてコミュニケーションをとるので、沈黙はコミュニケーションが途絶えたとして不快に感じるのです。

机の上の勉強も大切ですが、なぜ実際に留学をしてその国で生活をすることにこれほどの意味があるのか、ちょっと視点を変えて英語を捕らえてみれば、きっと新しい発見があるはずです。


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