デンマークの生活について
滞在方法
留学中の滞在方法の選択肢
デンマーク留学の滞在方法として一般的なのは、学生寮、アパート、ルームシェアの3つです。学生寮は、大学などに通う場合に滞在ができ、他の留学生やデンマーク人学生との交流がしやすいのが魅力です。家具付きで、比較的安価な家賃で住めることが多いですが、人気が高く、入居が難しい場合もあります。
アパートは、自分で探す必要があり、初期費用や家賃が高くなる傾向があります。しかし、自由度が高く、自分のペースで生活できます。
ルームシェアは、他の学生や社会人と一緒にアパートを借りる方法です。家賃を抑えられ、交流も楽しめますが、共同生活なので、お互いのルールを守る必要があります。日本と違いアパートメントやルームシェアはオーナーと直接連絡を取り契約をするので、必ず内見に行き詐欺には注意しましょう。
物価
デンマークの物価は高い?
デンマークは一般的に物価が高い国として知られています。特に首都コペンハーゲンの物価は高く、ヨーロッパの中でもトップクラスです。外食費、交通費、家賃など、生活に関わる全ての費用が高めに設定されています。外食やアルコール飲料は非常に高価で、レストランでの食事は日本と比較して1.5~2倍以上の予算が必要です。食料品も全体的に高めですが、スーパーマーケットで食材を購入して自炊すれば比較的費用を抑えられます。交通費や家賃も高額で、首都コペンハーゲンではフラットシェアで最低5000DKK(11万円程度)は見込んでおきましょう。この高い物価の背景には、25%という高い付加価値税(MOMS)や、高福祉社会を支える税金制度があります。長期滞在では、自炊を心がけ、自転車の積極的な利用などが節約の鍵となります。
食事
素材の味を生かしたシンプルな食事
デンマークの食事は、素材の味を活かしたシンプルさが特徴です。国民食ともいえるのが、ライ麦パンに様々な具材を乗せたオープンサンドイッチ「スモーブロー(Smørrebrød)」。ニシンの酢漬け(Sild)、エビ、スモークサーモンなどが定番です。また、カリカリの豚皮が特徴のローストポーク「フレスケスタイ(Flæskesteg)」や、一口サイズの肉団子「フリカデラ(Frikadeller)」も人気があります。近年は、ニューノルディック料理と呼ばれる、地元の食材を活かした革新的な料理も注目されています。レストランでは、旬の食材を使った美しい盛り付けの料理を楽しむことができます。ヴィーガンやベジタリアンの人も多く、レストランでは必ずと言ってよいほど選択肢があります。交通
主な交通手段
効率的で整備されたインフラが特徴です。特にコペンハーゲンでは、環境意識の高さとインフラ整備により、自転車が主要な交通手段として使われています。広い自転車専用レーンや信号システムが整備され、市民の約半数が日常的に利用しています。公共交通機関も充実しており、国鉄(DSB)による鉄道網が主要都市間を結び、コペンハーゲンとその近郊ではS-tog(近郊電車)やメトロ、バスが発達しています。これらは送られることも少ないので利用しやすいです。都市部を離れると公共交通機関が発達していない場所も多いため車が必須です。逆に都市部では駐車料金も高く、公共交通機関や自転車の利用が推奨されています。環境に配慮した持続可能な交通システムへの取り組みが国を挙げて推進されており、全体的にスムーズで快適な移動が可能です。
医療
原則自己負担なしの医療制度
デンマークの医療システムは、国民皆保険で、主に税金によって運営されています。原則として、病院受診や診察など、多くの医療サービスを自己負担なしで受けられます。かかりつけ医(GP)が医療の中心的な役割を担い、専門医への紹介や入院の判断を行います。デジタル化が進んでおり、予防医療にも力を入れています。質の高い医療を効率的に提供することを重視したシステムです。
留学生も、滞在期間が3ヶ月以上であれば国民番号(CPR Number)を取得することで、デンマーク国民と同様の医療サービスが無料で受けられるようになります。しかし、到着からCPR番号取得までの間は医療保険が適用されないため、この期間をカバーする海外旅行保険への加入が推奨されます。また歯科治療や特定の専門治療には自己負担が発生する場合があります。
電話・インターネット
EU圏内で使用できるSIMカード
デンマークの電話とインターネット環境は発達しており、日常生活において不便を感じることは少ないです。携帯電話はSIMカードを利用するのが一般的で、TDC、Telia、Telenor、3などの主要キャリアが提供しています。空港やスーパー、各通信会社の店舗で購入でき、プリペイドSIMと契約プランがあります。EU圏内のローミングは無料で、国際通話も比較的安価です。物価が高めのデンマークですが、SIMカードは月々50DKK(1,000円程度)からと日本と比べても比較的安めです。
家庭用インターネットは光ファイバーが普及しており、高速で安定しています。公共のWi-Fiもカフェ、図書館、駅などで広く利用可能です。携帯データ通信も大容量プランが一般的で、スマートフォンのテザリングでPCを使うことも容易です。
治安
治安と注意点
デンマークは、世界的に見ても治安が良い国として知られています。凶悪犯罪は少なく、軽犯罪も他の先進国と比較して低い水準にあります。しかし、コペンハーゲンなどの都市部では、スリや置き引きなどの軽犯罪が発生する可能性があります。特に観光客が多い場所や公共交通機関では、荷物に注意し、貴重品は身につけておくように心がけましょう。夜間の一人歩きは、なるべく避けるようにしましょう。
自転車の盗難は比較的多く、鍵をしっかりかけるなど対策が求められます。全体として、一般的な防犯意識を持っていれば安全に過ごせる国ですが、日本と同じ感覚で無防備にならないよう、最低限の注意は怠らないことが重要です。